学校における働き方改革の推進について

学校における働き方改革の動向

 近年、生徒指導上の問題や特別な配慮を要する児童生徒の増加等、学校における課題が複雑化・多様化しており、保護者や地域の学校や教職員に対する期待はこれまでにも増して大きくなっています。
 また、学校においては、小学校における外国語教育の教科化、道徳の特別教科化、小学校のプログラミング教育の必修化、ICT教育の推進など、多くの新たな内容への対応に追われています。
 そのような中、県内の多くの学校においては、「学校が多くの課題を抱え込んでおり、本来重視されるべき授業の充実や、児童生徒と向き合う時間の確保が不十分である。」、「本来、家庭や地域が担うべき内容を含め学校が抱えている業務に対して、家庭や地域の理解が不十分である。」等の状況が見られています。
 このような状況をそのままにしておくと、学校の教育力が低下し、家庭や地域の期待や、要望に応えられなくなるといったことが懸念されており、そのような状況を避けるためにも、「学校における働き方改革の推進」が急務とされています。

本市の時間外勤務の状況について

 本市では、毎月それぞれの教職員の「時間外勤務の時間」について継続的に調査を行っており、その結果は、下のグラフのようになっています。

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 本市の教職員の83.8%は、県が目標とする、時間外勤務45時間未満となっていますが、16.2%の教職員が45時間以上となっており、そのうち0.5%は、過労死ライン相当にあたる80時間を超えて時間外勤務を行っている月がありました。

西都市立小中学校の教育職員の業務量の適切な管理等に関する規定の制定

 このような本市の状況を改善し、全ての教職員の時間外勤務45時間未満を目指した取組を進めるため、本市では令和5年11月30日に「西都市立小中学校の教育職員の業務量の適切な管理等に関する規則」を以下のように定めました。

   西都市立小中学校の教育職員の業務量の適切な管理等に関する規則
 (趣旨)
第1条 この規則は、義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例(昭和46年宮崎県条例第47号)第8条の規定に基づき、同条例第2条第2項に規定する教育職員のうち、西都市教育委員会(以下「教育委員会」という。)が服務を監督する教育職員(以下単に「教育職員」という。)が正規の勤務時間(市町村立学校職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例(平成8年宮崎県条例第16号)第2条第1項に規定する勤務時間をいう。)及びそれ以外の時間において行う業務量の適切な管理その他教育職員の健康及び福祉の確保を図るための措置に関し必要な事項を定めるものとする。
 (教育職員の業務量の適切な管理)
第2条 教育委員会は、教育職員の在校等時間(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(昭和46年法律第77号)第7条第1項に規定する指針に定める在校等時間をいう。以下同じ。)から所定の勤務時間(同法第6条第3項各号に掲げる日(代休日が指定された日を除く。)以外の日における正規の勤務時間をいう。以下同じ。)を除いた時間を次に掲げる時間の範囲内とするため、教育職員の業務量の適切な管理を行うものとする。
 ⑴ 1か月について45時間
 ⑵ 1年について360時間
2 前項の規定にかかわらず、教育委員会は、教育職員が児童生徒等に係る通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い、一時的又は突発的に所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ない場合には、在校等時間から所定の勤務時間を除いた時間を次に掲げる時間及び月数の範囲内とするため、教育職員の業務量の適切な管理を行うものとする。
 ⑴ 1か月について100時間未満
 ⑵ 1年について720時間
 ⑶ 1か月ごとに区分した各期間に当該各期間の直前の1か月、2か月、3か月、4か月及び5か月の期間を加えたそれぞれの期間において1か月当たりの平均時間について80時間
 ⑷ 1年のうち1か月において45時間を超える月数について6か月
 (その他)
第3条 この規則に定めるもののほか、教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の健康及び福祉の確保を図るために必要な事項については、教育委員会が別に定める。
   附 則
 この規則は、公布の日から施行する。

働き方改革を推進するための取組状況調査の実施

 また、学校における働き方改革の推進状況を客観的に把握するために、文部科学省の「令和5年度教育委員会における学校の働き方改革の取組状況調査」のアンケート項目を活用し、調査を実施しました。その結果は以下に示すとおりです。
※ 小中一貫校は小中学校で1校と数えているため市内11校で結果を示しています。

1 登下校時の対応は、学校以外の主体(保護者・地域人材等)が中心に対応している。
     はい(7校/11校中) 
2 学校徴収金(給食費・学級費を含む)の徴収・管理は教職員が関与しない方法で徴収・管理を行っている。
     はい(4校/11校中)
3 学校における調査・統計への回答等は、教育課程の編成・実施や生徒指導など教師の専門性に関わるもの以外の調査については、事務職員等が中心となって回答している。
     はい(2校/11校中)
4 児童生徒の休み時間における対応は、地域人材の協力を得ている。
     はい(0校/11校中)
5 部活動については、部活動指導員をはじめとした外部人材の参画を図っている。(中学校6校のみ回答)
     はい(6校/6校中)
6 授業準備や学習評価、成績処理の補助的業務について、教師をサポートする支援スタッフの参画を図っている。
     はい(6校/11校中)
7 学校行事等の準備・運営については地域人材の協力を得るなど負担軽減を図っている。   
     はい(5校/11校中)
8 支援が必要な児童生徒等・家庭への対応について、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、特別支援教育等の専門人材、日本語指導ができる支援員等の専門的な人材等の参画を図っている。      
     はい(10校/11校中)
9 学習評価や成績処理について、ICTを活用(校務支援システム等の活用)して、事務作業の負担軽減を図っている。      
     はい(11校/11校中)
10 授業準備について、ICTを活用して教材や指導案の共有化を図っている。
     はい(8校/11校中)
11 学校と保護者等間における連絡手段について、Webアンケートフォーム等を活用してデジタル化を図っている。(保護者アンケート、欠席・遅刻連絡、学校通信等)
     はい(9校/11校中)
12 勤務時間外における保護者や外部からの問い合わせ等に備えた留守番電話の設置やメールによる連絡対応の体制を整備している。
     はい(11校/11校中)
13 教職員の勤務時間を考慮した時間割や定期テスト、学期の区分の見直しに関する取組を実施している。    
     はい(11校/11校中)
14 学校経営・学年経営の効率化に向けた取組を実施している。
     はい(11校/11校中)
15 学校行事の精選等を図っている。※令和元年以降のもの
     はい(11校/11校中)
16 職員会議(朝礼、終礼、打ち合わせ等を含む)の効率化に取り組んでいる。(連絡掲示板・グループウェア等を用いた伝達事項の共有による回数の縮減、オンラインによる会議、ペーパーレス化等)
     はい(11校/11校中)

アンケート結果にもとづく今後の取組

 アンケート結果より、本市の小中学校で、特に改善を図る必要がある項目が5項目あることが分かりました。

特に改善を図る必要がある5項目

○ 学校徴収金(給食費・学級費を含む)の徴収・管理は教職員が関与しない方法で徴収・管理を行っている。
○ 学校における調査・統計への回答等は、教育課程の編成・実施や生徒指導など教師の専門性に関わるもの以外の調査については、事務職員等が中心となって回答している。
○ 児童生徒の休み時間における対応は、地域人材の協力を得ている。
○ 授業準備や学習評価、成績処理の補助的業務について、教師をサポートする支援スタッフの参画を図っている。
○ 学校行事等の準備・運営については地域人材の協力を得るなど負担軽減を図っている。

本市では、上の5項目を初めとする働き方改革に関する課題を解決するために、下のような重点目標を立てて取組を行います。

重点目標1 学校徴収金の口座振替の推進


○ すでに口座振替を行っている学校において、市内全体で運用できる学校納入金管理システムの導入に向けた検証を行い、事務の効率化を図るとともに、学校徴収金を現金集金している学校においても口座振替を推進します。


重点目標2 学校における教職員の適切な業務分担の推進


○ 学校内での管理職、教諭等、事務職員の役割を明確にし、一部の職員に負担がかかることを防ぐとともに、各調査・統計についても、管理職や教諭等でなければ回答できないもの以外は事務が担当するなどの体制づくりを推進します。

重点目標3 家庭・地域との連携の推進


○ 「基本的に学校以外が担うべき業務」、「学校の業務だが必ずしも教師が担う必要のない業務」、「教師の業務だが、負担軽減が可能な業務」について整理するとともに、学校運営協議会等で、学校・家庭・地域の役割を明確にして連携を図ります。


重点目標4 業務改善につながるスタッフの増員


○ 教員の専門性を必要としない業務のサポートを行うスクールサポートスタッフや、部活動指導、部活動に係る生徒の引率・監督等を行う部活動指導員を増員することで、教職員の負担軽減を図ります。  

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(学校教育)0983-43-3438
(学校給食)0983-43-2453
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