妊娠期の食生活について

 お母さんの健康と赤ちゃんの健やかな発育には、妊娠前からのからだづくりが大切です。依然として若い世代の「やせ」が多いことなどの課題を受けて、10項目の指針が示されました。ぜひ妊娠前からしっかりと食事をとることを意識しましょう。

妊娠前からはじめる 妊産婦のための食生活指針

 ・妊娠前から、バランスのよい食事をしっかりとりましょう

 ・「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと

 ・不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと

 ・「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に

 ・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に

 ・妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に

 ・母乳育児も、バランスのよい食生活のなかで

 ・無理なくからだを動かしましょう

 ・たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう

 ・お母さんと赤ちゃんのからだと心のゆとりは、 周囲のあたたかいサポートから

妊娠前からはじめる 妊産婦のための食生活指針

妊娠期における望ましい体重増加量について

 妊娠中の適切な体重増加は、健康な赤ちゃんの出産のために必要です。不足すると、早産やSGA(妊娠週数に対して赤ちゃんの体重が少ない状態)のリスクが高まります。不安な場合は医師に相談してください。日本産科婦人科学会が提示する「妊娠中の体重増加指導の目安」を参考に適切な体重増加量をチェックしてみましょう。

 妊娠中の体重増加指導の目安(※1)

妊娠前の体格(※2) 体重増加量指導の目安
低体重(やせ):BMI18.5未満 12~15kg
ふつう:BMI18.5以上25.0未満 10~13kg
肥満(1度):BMI25.0以上30.0未満 7~10kg
肥満(2度以上):BMI30.0以上 個別対応(上限5㎏までが目安)

 ◎BMIの計算式: BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

(※1)「増加量を厳格に指導する根拠は必ずしも十分ではないと認識し,個人差を考慮したゆるやかな指導を心がける」産婦人科診療ガイドライン産科編 2020 CQ 010より

(※2)日本肥満学会の肥満度分類に準じた。

バランスのよい食事とは

 ●ご飯やパン、麺類などエネルギー源となる「主食」

 ●たんぱく質を多く含む肉や魚、大豆製品等、血液や筋肉を作る「主菜」

 ●野菜やきのこ類などからだの調子を整えるビタミンやミネラルを含む「副菜」

 これらが揃うことが理想です。 料理をするのが大変な時は、外食や中食をうまく取り入れましょう。主食主菜副菜を基本とすることで多様な食品から必要な栄養素をバランスよくとることができます。

大事な栄養素 葉酸・鉄分・カルシウム

「葉酸」

 葉酸の摂取は、胎児の二分脊椎などの神経管閉鎖障害の発症リスクの低減に重要です。神経管閉鎖障害は、妊娠のごく初期に脳や脊髄のもととなる神経管の形成に問題が起こることで生じます。

 受胎後およそ28日が神経管の形成には重要な時期となります。妊娠初期の女性、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性は、食事に加え、サプリメントなどによって付加的に1日あたり400㎍の葉酸の摂取が望まれます。ただし、サプリメントのとりすぎには注意が必要です。

 葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、枝豆や納豆、いちごなどに多く含まれています。葉酸は水に溶けやすく熱に弱いので、食品から摂取する際は、生で食べる、蒸すなどの調理方法がおすすめです。

「鉄分」

 女性のからだは月経や妊娠で多くの鉄分を必要とします。20代での鉄分摂取の推奨量は6.5mgですが、妊娠初期では+2.5mg、中・後期では+9.5mgの摂取が推奨されています。鉄分不足は貧血や疲れやすい体になるだけでなく、赤ちゃんに十分な酸素や栄養を届けられなくなってしまうので、積極的に摂取しましょう。

 鉄分は、レバーや赤身の魚、大豆やひじきなどに多く含まれています。鉄分の吸収を助けてくれるので、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜と一緒に食べることも大切です。

 ※レバーは葉酸や鉄分以外にビタミンAも多く含んでいます。

  赤ちゃんの奇形につながる可能性があるので、ビタミンAのとりすぎには注意しましょう。

「カルシウム」

 カルシウムはからだの機能維持や調節、赤ちゃんの骨や歯をつくるなどの重要な役割があります。妊娠期や授乳期に関わらず若いうちからしっかり摂取することで、将来の骨粗しょう症予防にもなります。

 カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、ちりめんじゃこやイワシなどの小魚に多く含まれています。また、カルシウムの吸収をサポートするビタミンDも合わせてとると良いでしょう。

健やかなからだづくりと食生活BOOK

食塩のとり過ぎに注意しましょう。

 宮崎県民の1日の食塩摂取量は、20歳以上男性11.7g女性9.4gであり、目標量と比較してとりすぎている現状です。(令和4年度宮崎県民健康・栄養調査結果)

 健康な人(20歳以上)の1日の食塩摂取目標量

男性 7.5g未満
女性 6.5g未満

(出典:日本人の食事摂取基準2020年版)

 食塩の過剰摂取は、高血圧、脳梗塞や心筋梗塞などを起こしやすくなります。しかしながら、食品や料理の中に含まれる食塩は、食品や料理そのものを見て含有量を把握することが難しいです。栄養成分表示等を積極的に活用して、食塩や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。また、減塩された調味料や加工食品を上手に取り入れることで、おいしく減塩を実践しましょう。

食中毒に注意しましょう。

 妊娠中は、一般の人よりもリステリア菌に感染しやすくなり、赤ちゃんに影響がでることがあります。
 ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンなどは妊娠中は避けましょう。
 また、冷蔵庫を過信せず、食べる前に十分加熱しましょう。

 食べ物について知っておいてほしいこと

 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

魚介類に含まれる水銀について

 魚(クジラ・イルカを含む)は、良質なたんぱく質や、血管障害の予防やアレルギー反応を抑制する作用があるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含み、またカルシウムなどの摂取源で、健康的な食生活をいとなむ上で重要な食材です。妊婦および出産のための栄養バランスの良い食事には欠かせないものです。しかし、妊娠中は少し注意が必要です。

 お魚について知っておいてほしいこと

出典:妊娠中と産後の食事について(子ども家庭庁ホームページ)

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