地方独立行政法人 西都児湯医療センターについて

西都市は、平成28年4月1日、地域医療を守るために西都児湯二次医療圏の中核的病院としての存続が不可欠との判断から、地方独立行政法人西都児湯医療センターを設立しました。

医療センターは定款により、地方独立行政法人法に基づき、地域住民に救急医療及び高度医療をはじめとした医療を提供するとともに、地域の医療機関及び西都市と連携して、住民の健康の維持及び増進に寄与することを目的とすることが定められています。

また、住民に対する医療サービスは、第2期中期目標及び中期計画に次のとおり定めております。
①緊急性の高い脳疾患や地域に不足している内科疾患における二次救急医療の提供
②初期救急医療体制の維持及び充実
③地域医療連携の推進
④在宅医療の充実に向けた支援
⑤地域災害拠点病院としての役割

このように設立当初から、脳卒中などの緊急性の高い脳疾患や整形外科疾患を積極的に受け入れるとともに、西都児湯であまり行われていない内科疾患の入院や手術も行ってきました。さらに、夜間急病対応や災害拠点病院機能も整備しつつ、西都児湯二次医療圏の中核的医療施設としての役割を果たしてきました。

しかしながら、現在の医療センターは、昨年の常勤医師の退職後は、新たな確保が困難となっており、緊急を要する脳疾患、呼吸器系内科疾患等の二次救急医療に対応した手術・入院がほとんど行われなくなりました。

またコロナ禍の影響が考えられるものの、夜間急病の受入れも減少し、西都児湯二次医療圏の中核的医療施設・災害拠点病院としての機能も低下しております。経営面においても経常損益が以前は黒字でありましたが、令和2年度には約2億円の赤字となり、令和3年度においても相当額の赤字が見込まれております。

これらのことから、西都児湯の住民の生命を守り、安全・安心を確保するため、また将来にわたる市の財政への影響を考えると、以前のような医療機能を備えた体制の医療センターに戻していくことが急務であります。

市民の皆さまにおかれましては、今後の医療センターについてご心配されている方も多いことと思いますが、市としましては、医療センターが達成すべき業務運営に関する中期目標の指示、救急医療に必要となる運営負担金などの経費負担を行いながら、医療センターの再建に向けて取り組んでまいります。

市民の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

                           令和3年12月28日
                           西都市長 橋田和実



寄せられる主な質問にお答えします

【質問】地方独立行政法人とは何ですか?

 地方独立行政法人は、住民の生活や地域社会・地域経済の安定など公共上の見地から、その地域において確実に実施される必要がある事業のうち、地方公共団体が直接実施する必要はないもので、民間に委ねると適切に実施されないおそれがあるものを、効率的・効果的に行うために地方公共団体が設立する法人です。

【質問】西都児湯医療センターは市の病院ですか?

 医療センターは市立病院ではありませんが、安定的な病院運営を目的に、西都市が100%出資をして設立した公的病院になります。

【質問】医療圏とは何ですか?

 医療圏は、医療法に基づき都道府県が作成した医療計画の中で設定されており、次の3つに区分されています。

①一次医療圏 日常生活に密着した保健・医療を提供する圏域。おおむね市町村単位。
②二次医療圏 救急医療を含む一般的な入院・治療を提供する圏域。複数の市町村で構成。
③三次医療圏 先進技術を必要とする高度な医療を提供する圏域。主に都道府県単位。

【質問】西都児湯二次医療圏とは何ですか?

 宮崎県内には7つの二次医療圏が設定されており、医師数や病床数などは二次医療圏ごとに計画されるため、地域医療の基本的な単位と言えます。 西都児湯二次医療圏は、西都市・高鍋町・新富町・西米良村・木城町・川南町・都農町の1市5町1村で構成され、人口は約10万人です。 西都児湯医療センターは、この二次医療圏内において救急告示病院及び災害拠点病院としての機能を有する中核的病院としての役割を担っています。

○救急告示病院は、救急隊が搬送する傷病者の収容及び治療を行う医療機関のことで、救急病院等を定める省令に基づいて知事が認定し、告示しています。市内では医療センターのほか大塚病院、鶴田病院、三財病院が指定されています。

○災害拠点病院は、災害発生時に災害医療を行う病院などの後方医療機関を支援する機能を有する病院で、役割としては重症・重篤な傷病者の受入及び広域医療搬送の支援、局地災害時の医療救護班の派遣等が挙げられます。

【質問】一次・二次・三次救急医療とは何ですか?

 都道府県が作成する医療計画では、症状と緊急性から次の3段階に分けて医療体制が整えられており、それぞれの体制の元に各医療機関で行われている救急業務が、初期(一次)救急医療、二次救急医療、三次救急医療です。

①初期(一次)救急医療体制
 主として入院治療を必要としない軽度の救急患者の治療を行う。休日夜間急患センターや在宅当番医制で対応。

※医療センターが開設している夜間急病センターは、この初期救急医療機関に該当します。西都児湯地域において唯一、18時から22時までの夜間帯で初期救急患者を受け入れています。


②第二次救急医療体制
 休日、夜間における入院治療を必要とする重症救急患者の医療を行う。二次救急の指定を受けた病院が病院群輪番制方式や共同利用型病院方式などで対応。

※医療センターでは、常勤医師のほか西都市西児湯医師会や宮崎大学等からの医師派遣による共同利用型病院方式となっております。 共同利用型病院方式とは、その地域の拠点病院などが施設の一部を開放し、そこに地域の医師が出向いて診療を行う方式です。



③第三次救急医療体制
 初期、第二次救急医療施設からの転送患者を受け入れる後方病院であり、高度の検査・手術を要する重篤救急患者の救命医療を行う医療機関。宮崎県では、県立宮崎病院、県立延岡病院、宮崎大学医学部附属病院が対応。

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