市長コラムバックナンバー(令和3年度)

市長コラム バックナンバー

令和3年度

11回(令和4年3月号)住みやすい西都づくりのために

 西都市は、第五次総合計画において8年間をめどに"抜群に住みやすい西都"づくりを目指しています。西都に住んでいる、あるいは働いている私たちは現状をよく知って、その良さをさらに伸ばし、課題は一緒になって解決していくことが大切だと思います。
 その中で、地域医療の充実がひとつの課題となっています。厚生労働省の調査(2016年)によると、県内に7つの二次医療圏が設定されていますが、西都・児湯医療圏は、人口10万人あたりの医師数が最も少ないという結果が示されております。同じく県の調査では、西都・児湯医療圏域内の住民の方が宮崎市内などの圏域外の医療機関へ入院する、いわゆる流出率が37.1%と県内で一番高い割合となっております。このような中、医療センターでは現在、急性期脳疾患の手術ができておらず、二次救急医療の機能低下が危惧されておりますので、できる限り早く再建しなければなりません。
 さらに、西都市においては現在、耳鼻咽喉科や産婦人科が無く、将来的な医療体制とあわせて考えなければならない状況です。市としましても、これらの不在診療科の対策についてしっかりと取り組んでまいりますが、市民の皆さまにおかれましても、知り合いの医師がおられましたら、ぜひご紹介いただければ大変ありがたいです。  今回は地域医療の充実について申し上げさせていただきました。
西都市長 橋田和実

10回(令和4年2月号) 令和4年西都市成人式を終えて

 3年越しのコロナ禍の中で、令和4年1月5日西都市民会館において西都市成人式が無事挙行されました。今年の成人式では310名の成人者に案内がなされ、233名の方に出席していただきました。
 晴れて成人式を迎えられた皆さまに、改めてお慶びとお祝いを申し上げます。併せて、これまで愛情深く育ててこられた保護者の方々をはじめ、恩師や地域の皆さまにも敬意と感謝の念を表したいと思います。
 成人式という人生の節目を迎えられたわけですが、これからは大人としての自覚を持ち、自己の判断と決断をもって社会の荒波を乗り越えていただきたいと願うところです。特にこのコロナ禍の中、急激な変革を必要とする激動の世界に積極果敢に立ち向かって、ぜひ新しい未来を切り開いてほしいと期待しております。
 宝島社が発行する『田舎暮らしの本』(2022年2月号)に掲載されましたが、南九州エリア44市町村において、西都市が「若者が住みたい田舎」と「子育てしやすい田舎」ランキングでナンバーワンに選ばれました。新成人の皆さま、そして西都市在住の皆さまも"西都市は抜群に住みやすいところだ"という認識を新たにされ、自信と誇りを持って生活していただければ幸いと存じます。
 最後になりましたが、新成人の皆さまのますますのご活躍とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
西都市長 橋田和実

(令和4年1月号)新春のご挨拶

 令和4年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。市民の皆さまにおかれましては、健やかに新春をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。また日ごろから市政全般にわたり、格別のご理解、ご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
 昨年は世界的に新型コロナウイルス感染症の猛威にさらされた1年でありました。県内においては第3波の渦中で年が明け、夏場には市内でもクラスターが発生し、一日当たりの新規感染者数が過去最悪を記録した第5波に見舞われるなど、計3回の緊急事態宣言が発令されました。しかしながら、ワクチン接種の推進などの効果もあり、感染者数は大幅に減少しました。改めて医師会をはじめとする医療関係者の皆さまのご協力に感謝を申し上げます。
 このような中で57年ぶりとなる東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、本市におきましても聖火リレーが行われるなど、スポーツの祭典が熱く盛り上がりました。
 また文化の面においては、宮崎県としては初めてとなる国文祭・芸文祭みやざき2020が開催され、本市では「西都まっぽす神楽」と銘打ち、『いざ神話の源流へ』 を体現するとともに神楽の魅力を全国に発信していただきました。スポーツや文化芸術が、コロナ禍における我々の心を温かく和ませてくれる大きな力となることを強く感じたところでした。
 さて、今年は第五次総合計画で掲げたまちの将来像である「抜群に住みやすいまち西都」の実現に向け本格始動させてまいります。本市の強みである宮崎市へのアクセスの良さや自然環境、豊富な農畜産物を活かし、「安定した雇用の創出」「移住・定住者の確保」「子育て世代への支援」「地域医療の充実」「市民活動や地域経済を担う次世代の人材育成」を中心政策として、きめ細かな施策を展開してまいります。
 なお、地方独立行政法人西都児湯医療センターの件につきましては、市民の皆さまをはじめ関係各位にご心配をおかけしておりますが、私は地域住民の生命と安全・安心を守ることを第一に考え、緊急性の高い脳疾患における手術・入院のできる二次救急医療の提供が最重要課題と考えておりますので、何卒ご理解をいただきたいと思います。  結びにあたり、今年こそは新型コロナが終息へと向かい、皆さまにとりまして明るく希望に満ちた実り多き年になりますことを心よりお祈り申し上げます。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
西都市長 橋田和実

9回(令和3年12月号) ヤクルトスワローズ セリーグ優勝おめでとうございます!

 本市でプロ野球キャンプを行っていただいており、市民の皆さんにも大変なじみのあるヤクルトスワローズが6年ぶりにセ・リーグ優勝を果たしました。そして、その勢いのままクライマックスシリーズを勝ち抜き、見事オリックスバファローズとの日本シリーズに進出しました。シーズン開幕前の大方の最下位予想を覆し、ベテランと若手が見事に融合したすばらしいチームワークの結果でした。本当におめでとうございます。
 本市とスワローズとの関係は古く、故野村監督が1991年に初めて本市で1軍キャンプをスタートさせ、その後の黄金時代を築かれました。現在の高津監督はその黄金時代を支えた抑えの大投手でありましたし、2軍監督もされておりましたので、選手・監督時代を合わせて本当に長い間おいでいただいております。また、クライマックスシリーズでMVPに輝いた奥川恭伸投手も新人時代の2020年には名物の「地獄の石貫階段ダッシュ」を経験し、しっかりと心身を鍛え上げられたことが、今シーズンの大活躍に繋がったものと思います。
 先日、球団社長とお会いした時、西都はとにかく野菜や肉の食材が新鮮でおいしいとのお言葉をいただきました。また、西都原野球場の改修も完了し、練習環境も整備されましたので、これまで以上にプロ野球キャンプや社会人、大学野球の合宿などの誘致に自信をもって進めていくことができます。
 最後に、本原稿は11月18日現在、日本シリーズの結果がまだ分かっていない段階で書いておりますが、市民の皆さんがこの記事を読んでいるころには、必ずやヤクルトスワローズが日本一に輝いていることと信じております。
西都市長 橋田和実

8回(令和3年11月号)国文祭・芸文祭を終えて

 『第35回国民文化祭みやざき2020』と『第20回全国障害者芸術文化祭みやざき大会』が7月3日から10月17日まで開催されました。コロナ禍の中で徹底した感染対策を施して、予定された大部分の行事やイベントができたのは幸いでした。
 本市では9月18日に市民会館と夢たまごで総合文化フェスティバルの美術展と、「つま」の街写真コンテストが行われ、感動的なすばらしい作品が出品されました。また、18日と19日の2日間、西都原御陵墓前広場にて「西都まっぽす神楽」が市内・県内の各団体によって盛大に開催され、"いざ神話の源流へ"を体現するとともに神楽の魅力を発信していただきました。
 9月26日には「日本遺産のまち 西都を巡るサイクルフォトラリー」が行われ、参加者が西都市全域(文化施設・旧跡41カ所、飲食店17カ所)を自転車で旅し、歴史文化や食文化を満喫していただきました。
 フィナーレとして、10月9日西都市文化ホールにて「寒川神楽の帰還」が開催されました。寒川は平成元年に集団離村をもって歴史に幕を下ろした集落です。今回32年ぶりにそこで舞われていた神楽が、寒川の方々や小川・高屋・尾八重の神楽保存会の皆さまによって再現され、思い出深いひとときでした。本市は今回の国文祭・芸文祭において、歴史・文化・芸能にスポットを当ててきました。市民の皆さまが、ふるさと西都の歴史や文化に触れられ、その良さを再認識することによって誇りを感じ、これからの"抜群に住みやすいまち・西都"づくりにつないでいただければ幸いです。この目標に向かって、ともに邁進していこうではありませんか。
西都市長 橋田和実

7回(令和3年10月号)西都市の未来を担う人材を育てよう!

 このたび西都市では、将来を担う若い世代の人材を育成するため「さいと未来リーダー塾」を開講することにしました。
 少子高齢化、人口減少によって、20年後の西都市の人口は2万人を割り込むと予想されています。そのなかで私たちは、100年先を展望して"抜群に住みやすい西都"づくりを推進していかなければなりません。安全・安心に暮らすことができ、産業や地域コミュニティなどが活気にあふれている社会を目指しています。そのような社会の実現のためには、各分野で中心となるリーダー的存在の育成が不可欠であると考えました。
 さいと未来リーダー塾は、社会的に厳しい状況であっても、新たな時代を自ら先頭に立って切り開いていくような人材、社会のため人のために尽くせる人材の育成を目的としています。20~30代の若者を対象に、期間は令和3~4年度の2年間、20名の定員で塾生を募集しており、内容は人間力育成講座やリーダーシップ育成講座、ワークショップや自主研修活動などです。
 自分自身と向き合い、人間力を高める貴重な場となると思います。若い世代の皆さまの、たくさんのご参加をお待ちしております。
西都市長 橋田和実

6回(令和3年9月号)西都児湯医療センター(救急病院)の運営状況を憂う

 先日、三納中学校の生徒さんたちと懇談した際に、「医療センターの脳外科の先生はまだ来られないのですか。祖父母や両親がいつも不安そうに心配しています」とのご意見をいただきました。私は、明確な答弁ができず、困ってしまいました。
 昨年、前理事長退職とともに、6名おられた当時の常勤医は現在1名だけになっています。現在の医療センターの常勤医は、理事長と整形外科2名、外科1名という状況です。
 平成28年度に地方独立行政法人となった医療センターは、令和元年度までの4年間で繰越金約3億5千万円の黒字経営を続けておりました。令和2年度決算ではコロナの影響もありますが、約2億円の赤字となっており、危機的状況への懸念が生じています。赤字解消に向けた経営安定化への対策が急務です。
 病院機能の面でも整形外科に加え、現在、不在となっている脳外科・内科の常勤医を早急に迎えて、緊急性の高い救急医療に対応した入院・手術を可能とすることで、市民の安全安心を確保しなければなりません。  新病院建設を進める上で、ぜひとも、医療センターにはしっかりとした対応策を講じていただきたいと思います。私も、不退転の決意で臨んでまいります。
西都市長 橋田和実

5回(令和3年8月号)新庁舎落成に想う

 このたび新市庁舎が落成し、7月26日に開庁しました。旧市庁舎は57年の歴史に幕を閉じますが、これまで市政活動の拠点としてその役割を果たしてくれたことに心から感謝したい気持ちでいっぱいです。
 今回、6月市議会で第五次西都市総合計画基本構想を発表させていただきました。そのなかで西都市は「抜群に住みやすいまち・西都」を将来像とし、成熟時代の一地方都市として市民一人ひとりが活躍し、みんなで共感できるふるさとを築いていくことを目指しています。「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という言葉がありますように、そんな新しい西都市になるための第一歩が、新市庁舎の完成であると考えています。
 私を含め市職員も心機一転、新たな気持ちで業務に精励し、市民サービスのさらなる向上を図ります。これからも常に市民目線で、現場に足を運ばせていただきながら、市民の皆さまの生活が少しでも良くなるように尽力してまいります。
 市庁舎は市民の皆さまの生活・活動などを支援するための拠点施設です。以前よりも利用しやすい庁舎となりましたので、いつでもお気軽にご来庁くださいますようお願い申し上げます。
西都市長 橋田和実

4回(令和3年7月号)新型コロナウイルス感染症対策について

 昨年の1月に我が国において初めて確認された新型コロナウイルス感染症は、またたく間に全国に拡大し、同年3月には本県でも感染が確認されました。このコロナ禍は日常生活や経済活動に多大な影響を与え、私たちの暮らしを一変させました。マスクの着用や3密の回避、手洗いと消毒の徹底は習慣となり、現在も続いています。
 本市では感染拡大防止のための予防方法について、チラシや防災無線を通して市民の皆さまに協力を呼びかけました。またPCR検査体制を整備するとともに、影響を受けた中小事業者へのきめ細かな支援、消費喚起のためのプレミアム付き商品券の発行など、その影響を最小限に食い止めるための対策を講じてまいりました。
 現在は、以前の生活を取り戻す切り札とされているワクチン接種を4月から開始し、希望する市民の皆さまに迅速に接種できるよう、医療機関の皆さまのご協力を得ながら職員一丸となって取り組んでいるところです。
 引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大防止と社会経済活動の両立をはかり、このコロナ禍をなんとかして乗り越えていけるよう尽力してまいります。これからも市民の皆さまのご支援とご協力をよろしくお願いします。
西都市長 橋田和実

3回(令和3年6月号)日本一住みよい西都を目指そう!

 コロナ禍において、都市部では地方移住への関心がさらに高まっていると聞きます。近年は、どの地方自治体でも、人口増やまちの活性化を図るため、移住・定住の促進に取り組んでいます。
 私たちの西都は2000年の歴史があり、古代ロマン漂う記紀の道の神話伝説、日本遺産の西都原古墳群、国衙跡(今で言う県庁舎)、国分寺や国分尼寺跡、神楽をはじめとしたさまざまな伝統文化など歴史的遺産が豊富に存在します。  地理的にも宮崎県の真ん中に位置し、県都宮崎市に隣接し、宮崎空港や宮崎港へのアクセスも良く、高速道路のICがあるなど、極めて利便性の高い地域です。
 また、内陸部であるため、今後発生が予想される南海トラフ大地震に伴う大津波の影響も受けにくく、比較的安全な地帯でもあります。
 さらに、山々に囲まれ、川あり、台地あり、平野ありで、良好な気候にも恵まれ、自然的条件や地理的条件を生かした農業、林業、畜産業が盛んです。農業のメッカと言っていいほど、豊富な農林畜産物が生産・加工されています。  これに教育、医療や福祉の充実がさらに図られれば、"日本一住みよい西都"の実現も不可能ではないと考えます。これからも西都の良さをもっとアピールし、コロナ禍に対応して、移住・定住を促進していかなければなりません。
 市民の皆さん、一致団結して取り組んで参りましょう。
西都市長 橋田和実

2回(令和3年5月号)石井十次の精神を現代に活かそう!

 石井記念友愛社の子どもたちは今年も20アールの水田で田植えを行いました。すべて手作業で行い、先輩たちの指導を受けながら小学生は苗採り、中・高生は植え方を手際よく進め、秋には実った稲を鎌で手刈りします。集団で行う田植えと稲刈りは労作と称し、これが子どもたちの忍耐力を育み、清らかな精神を養います。宮崎県の偉人である"児童福祉の父"石井十次は高鍋町で生まれ、明治初期、医師を目指し岡山に移りますが、医師になることを断念し孤児救済に専念します。養育の中で学校教育と実業教育を行い、延べ3000人以上の孤児たちを救済しました。明治後期に都市化が進む岡山から、自然豊かなふるさと宮崎の茶臼原へ孤児院を移転し、大自然の中で農作業を通してしっかりと子どもたちを養育しました。
 子どもの貧困が言われる現代にあって、友愛社は石井十次の精神をしっかりと受け継いで、子ども達に惜しみない愛情を注ぎ、志を育て良き出会いをつくり、世のため人のために役立つ人材を輩出しています。自然との共生を求め、孤児院を茶臼原に移転させた石井十次の考えは、コロナ禍で人口集中による都市圏での感染拡大が問題となっている今、人口の地方分散を促すことに通ずると思います。
 市民の皆さま、一度、友愛社にある石井十次資料館を見学してみてはいかがでしょうか。
西都市長 橋田和実

1回(令和3年4月号)住みよい西都づくりのために!

 市長に就任して2カ月近くになりました。各機関・団体へのあいさつまわり、各種行事への出席、会議や協議そして初議会と多忙な毎日を送っています。市長職がこんなに忙しかったのか、と改めて思う次第です。
 そのような中、合間をみて市役所内の各課を回り、職員にこんな話をしました。
 「私はこの4年間、一市民となり、各現場を体験したり、見たり、お話を聞いたりしてきました。そこで一番感じたことは『現場に真実あり』『現場を知らずして市政や行政はできない』ということです。職員の皆さんは行政目線ではなく、いつも市民の目線や立場になって考え仕事をしていただきたい」。 そして「あいさつや返事、整理整頓を徹底しましょう」と付け加えました。
 あいさつと返事は前向きな姿勢と率直さであり、整理整頓は危機管理、いざというときの対応につながるのではないでしょうか。これは市民サービスの基本になると思いますので、私自身も肝に銘じて努力してまいります。
 また、聖徳太子の十七条憲法第1条に「和を以て貴しとなす」とありますが、住みよい西都をつくるためには融和の精神も肝要だと思います。ただしそれは、論語に「和して同せず」とありますように、各人がしっかりとした考えや意見を持ち、議論すべきであり、その結果、協調の和をつないでいくことが大切だと思います。これは、私自身も心掛けなければならないことです。
 これから、市民一丸となって"住みよい西都"をつくっていきましょう。よろしくお願い申し上げます。
西都市長 橋田和実

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